多言語社会研究会・第10回研究大会のお知らせ

多言語社会研究会・第10回研究大会を以下の要領で開催します。

【日 程】2018年12月1日(土)・2日(日)

【場 所】東京大学 東洋文化研究所

【参加費】1000円(どなたでも参加できます・事前申し込み不要)

【主 催】多言語社会研究会

【共 催】東京大学東洋文化研究所班研究「アジアにおける多言語状況と言語政策史の比較研究」

【大会テーマ】オリンピック 多言語とナショナリズム

【趣旨】

 2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会を前にして、多言語化についての議論を目にする機会が増えてきた。それら議論は、公共空間での多言語表記、公共サービスやビジネスにおける多言語対応などを中心としており、背景には、オリンピック大会に向けて増えるであろう外国人観光客に対応しよう、という発想がある。「対応しよう」と考える理由は立場(行政か民間か)によって多少は異なるようだが、姿勢は共通して積極的である。これら議論で目立つ内容を標語的に表現すると「多言語によるおもてなし、すなわち言葉のバリアフリーを通じて観光立国と多文化共生社会を推進しよう!」といったところであろうか。一連の議論について特筆すべきは、オリンピックや多言語(状況)が本来的に内包している政治性に対する徹底した無関心である。本大会1日目は、こうした議論とは逆に、オリンピックや多言語(状況)についての政治性を正面からあらためて問う場としてみたい。

【プログラム】

12月1日(土)

13:00 開会・趣旨説明

13:20 基調講演

 小澤考人(東海大学)「オリンピックとナショナリズム再考:多言語対応の向こう側」

14:20 報告1

 藤井久美子(宮崎大学)「オリンピック開催と多言語対応―東京と北京の場合―」

14:50 報告2

 塚原信行(京都大学)「バルセロナオリンピックの言語的レガシー:マイノリティ言語とオリンピック」

15:20 休憩

15:45 パネルディスカッション

 「オリンピック 多言語とナショナリズム」

  司 会:石部尚登(日本大学)

  パネリスト:小澤考人・塚原信行・藤井久美子

18:30  1日目終了


12月2日(日)

 ラウンドテーブル「多言語状況研究の20年を振り返る」

 日本において、社会的な言語問題を取り上げる研究が増加し始めてから20年ほどが経過した。この間、多言語状況に関する研究は広がりを見せたが、同時に細分化したために全体像がつかみにくくなっているとも言える。このラウンドテーブルでは、多言語状況を研究対象の1つとして含む学会・研究会の代表者が集まり、この間の関連研究の広がりと深化について総括を試み、また、今後の研究の方向性について議論する。

09:30 原聖「多言語社会研究会創設の経緯」

10:00 ラウンドテーブル

 司会:佐野直子(名古屋市立大学)

 参加者:

  大河原眞美(法と言語学会)

  かどやひでのり(「社会言語学」刊行会)

  定松 文(多言語社会研究会)

  庄司博史(多言語化現象研究会)

  平賀正子(社会言語科学会)

  村岡英裕(言語管理研究会)

  山川和彦(日本言語政策学会)

12:30 閉会