第100回多言語社会研究会例会【開催日:2025年1月11日(土)】

第100回多言語社会研究会例会を、以下の要領にて開催致します。

奮って御参加下さい。


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日時:2025年1月11日(土)14:00-18:00

会場:東京大学(本郷キャンパス)東洋文化研究所3階第1会議室

https://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/access/index.html

参加費:500円(オンライン・対面)

※対面参加者は会場でお支払い下さい。

※オンライン参加者は例会終了後、下記Zoom登録フォームに入力されたメールアドレス宛てに支払い方法を連絡致します。


研究会はオンライン(Zoom)でも参加頂けます。

オンラインでの参加を希望される方は、以下のフォームからお申し込み下さい。

https://zoom.us/meeting/register/tJYudOuoqjgjGtyMXGOzgy_56rpnfWaCSSV0


(以下、各報告の開始時間はおおよその目安ですので、若干前後する可能性もあります。)


<報告1> 14:00-16:00

発表題目「台湾華語の成立と多言語社会におけるその位置づけ」

報告者:周佳瑩(一橋大学大学院言語社会研究科)

概要:

戦後、国民党政府による「国語」推進政策により、中国語が台湾社会の主要な言語として定着したが、時代の変遷とともに「台湾華語」として現地化の特徴が加わった。そのため、「国語」を「台湾華語」と改称すべきだという提案も見られるようになり、言語平等の象徴であり、台湾のアイデンティティを表す手段とも考えられている。しかし、単に言語名称を変更するだけで本当に言語平等やアイデンティティの問題が解決されるのか。本報告では、まず「華語」の中華民族観および台湾の教育体制における台湾華語の文法や発音が認められていない現状を考察し、名称の変更のみでは中国文化が台湾社会を主導する可能性がむしろ深まることを示す。また、他の台湾本土語言との不均衡な地位を解消しなければ、「台湾華語」は別名の「国語」に過ぎないことを論じる。  

キーワード:台湾華語、国語性


<報告2> 16:00-18:00

発表題目「コリョ人(中央アジアのコリアン・ディアスポラ)の言語史と言語態度」

報告者:イ・ミンヒョン(一橋大学大学院社会学研究科)

概要:

中央アジアを中心とする旧ソ連諸国と韓国などに居住するコリアン・ディアスポラであるコリョ人は、その多くが朝鮮半島北部の咸鏡北道からロシア領の沿海州に移住した人々の子孫である。コリョ人の言語であるコリョマルは、咸鏡北道の朝鮮語を基盤にロシア語などの影響が顕著な混成言語的特徴を呈している言語変種であるが、現在は大多数のコリョ人がロシア語を第一言語としていることから、少数の高齢者世代しか駆使できない「消滅危機言語」となりつつあるとされている。本発表では、朝鮮から沿海州、中央アジア、更に韓国へと3度の人口移動のマクロな流れを経験しているコリョ人の言語使用の通史を概観し、インタビューデータに基づき、コリョ人がコリョマル、韓国語、ロシア語、ウズベク語など、複数の言語が混用される環境のなかで、それぞれの言語に対してどのように思っているのかを考察する。その過程で、コリョ人の言語的アイデンティティの特殊性と複雑性をあぶり出し、コリョマル継承の可能性を探ることを目的とする。

キーワード:コリョ人、コリョマル、コリアン・ディアスポラ

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1月例会担当 藤井久美子・吉田真悟