第82回多言語社会研究会例会のお知らせ
下記の要領で多言語社会研究会を開催します。ふるってご参加ください。
今回は、東京23区を西にとびだして、東京都武蔵野市で開催します。いつもと場所が異なりますので、くれぐれもご注意ください。
日時:2020年1月25日(土) 13時00分~16時45分
場所:武蔵野公会堂 第2会議室(2階)
JR中央線吉祥寺駅南口から徒歩2分。井の頭公園に向かう途中にあります。
地図 http://www.musashino-culture.or.jp/sisetu/koukaido/access.html
東京都武蔵野市吉祥寺南町1-6-22
参加費:500円(資料代として)
報告1 13:00~14:45
報告者:吉田真悟(一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程)
題目:台湾語における文字使用と「○○意識」
要旨:本発表では、現代台湾(閩南)語の書き言葉における文字使用と、書き手ないしは文字に関わる人々の言語イデオロギーとの関係について報告する。書記言語構築の只中にある台湾語では、規範形成が進む一方で、漢字とローマ字を中心とする複数の文字種をめぐり、依然多様な文字使用のあり方が見られる。それを人々の思想や考え方、即ちイデオロギーの観点から分析するため、面接(インタビュー)調査の結果を基に、特に国族認同(ナショナルアイデンティティ)に関わる言葉である「台湾意識」を始めとして、「○○意識」と名付け得るものとの関係から論じることを試みる。
キーワード:台湾語、文字、言語イデオロギー、台湾意識
報告2 15:00~16:45
報告者:齋藤幸世(関西学院大学大学院社会学研究科博士課程後期課程)
題目:台湾の多文化教育における言語平等化のプロセス ――「十二年国民基本教育」の「本土言語教育」の事例より
要旨:2019年9月より、台湾の新教育制度「十二年国民基本教育」が正式に始まり、その母語教育に「新住民(新移民)」の言語が加わる新たな局面を迎えた。そこで、本研究では多文化教育における教育言語としての中国語の位置づけに焦点を当て、主にフィールド調査から「母語教育」の変貌を検討する。さらに、2018年12月25日に「国家言語発展法」が可決し、新たに「国家言語」が定められた今、台湾言語の多様化と平等化がいかに教育制度に反映され、何を目指しているのかを明らかにする。